革製品

【レビュー】土屋鞄製造所のプレーンヌメ Lファスナー【究極にナチュラルなヌメ革財布】

「純粋無垢」という言葉がよく似合う、土屋鞄製造所の新シリーズ「プレーンヌメ」

“プレーン”の名の通り、加工や染色を一切行っていない素の状態のヌメ革で仕立てたシリーズだ。

今回は、そんな土屋鞄のプレーンヌメシリーズからLファスナー(通称:Lファス)を紹介する。

土屋鞄製造所とは?

1965年創業の国産レザーブランド。バッグから革小物まで幅広く展開しており、特にレザーのランドセルが有名。メイド・イン・ジャパンにこだわり熟練の職人が手作業で仕上げる製品は、どれも質実剛健で高品質。革好きからの信頼も厚い人気ブランド。

土屋鞄製造所のプレーンヌメ Lファスナー

  • 加工や染色を一切していないプレーンな表情
  • 使うほどに風合いを増すヌメ革ならではのエイジング
  • 内装のフォルムがユニーク
  • 耐久性が高く頑丈
  • 膨らみのあるフォルムのため厚みが出る
  • 小銭がやや取り出しにくい

ひと目見た瞬間に思わず息を呑むほど美しい、土屋鞄製造所『プレーンヌメ Lファスナー』

実際には淡いベージュカラーなのだが、純白という表現がぴったりなほど白さが際立つ逸品だ。

プレーンヌメは2019年9月から販売が開始された新シリーズ。ベルギーのタンナーが植物タンニンだけでじっくり鞣し、表面加工も染色も一切施さずに仕上げたヌメ革を使用しているのが最大の特徴だ。

土屋鞄には以前からヌメ革を使用したナチューラという超定番シリーズがあるが、プレーンヌメはナチューラとは一味違う“素の革”の良さを存分に堪能できる。

無垢な表情がとにかく美しい

こちらの最大の魅力は、何といっても使われているプレーンヌメレザー。これに尽きる。

まるで産まれたての赤ちゃんの肌のような無垢な表情がとにかく美しい。手に持つ時に少し緊張してしまうほどだ。笑

染色や加工をせず、革本来の究極にナチュラルな質感を楽しめるのは、ヌメ革好きにはたまらない。

加工をしないということは革の質をごまかせないということでもあるが、プレーンヌメで使われるヌメ革はキメが非常に細かく品質も素晴らしい

個体によっては牛が持っていた傷やシワ、血管、毛穴の痕などもあるが、これは加工をしないヌメ革だからこそ見られる天然の味でもある。これらを楽しめるのもヌメ革の魅力のひとつだ。

底の折り目部分には「ネン引き」と呼ばれる処理が施されている。革に筋を刻むことで表情に陰影を加え、全体の雰囲気をギュッと引き締める効果があるのだそう。

一見単純な仕上げだが、一定の太さと深さで筋を入れるには職人の熟練の技が求められる。素材の良さをさらに活かす、土屋鞄の細かな職人技にも注目だ。




十人十色のエイジング

出典:土屋鞄製造所

ヌメ革の醍醐味といえば使い込むほどに味わいが増すエイジング

購入当時の無垢な状態から濃い飴色へと経年変化していく。

一切の加工がないため当然汚れやすく扱いには気を使うが、その分ヌメ革ならではの育てる楽しみを存分に味わえる。

しかも、色の深みやムラ感などは十人十色で、世界にふたつとない自分だけの財布に育つので愛着も増す。

防水スプレーを振って丁寧に育てていくもよし、逆にガシガシ使って傷や汚れも武骨な味として楽しむもよし、使う人それぞれの個性がにじみ出る逸品だ。

内装はユニークな3層仕立て

プレーンヌメ Lファスナーの外装は至ってシンプルなデザインだが、内装はユニークな3層仕立てになっている。

ヌメ革の柔らかな雰囲気に合わせるかのような、ふんわりと丸みを帯びたデザインが印象的だ。

上から見た時の、アコーディオンを広げたようなフォルムが個性的でイイ。

Lファスの内装はどれも同じような構造がほとんどだが、こちらは他とは一味違って見た目にも楽しい。

小銭ポケットにはお馴染みの刻印が極小サイズで入っている。

土屋鞄の他の財布と比べると刻印の大きさは半分以下で、あくまでさりげなく、素材が主役といった感じだ。

使い勝手は今一歩。厚みが出るのも惜しい。

プレーンヌメ Lファスナーの個性的なフォルムは見た目には楽しいが、使い勝手の面では今一歩。

使いやすさの面で言えば、同じ土屋鞄の『ディアリオ ハンディLファスナー』の方が断然上だ。

実際にお金を入れてみよう。

奥の独立したフリーポケットにはお札が入る。

容量的には10枚程度は入るが、出し入れの際にファスナーに引っかかりやすいのが気がかりだ。

現金をよく使う方はお札を手前部分に入れて、フリーポケットにカードを入れるのもありだと思う。

中央部分は小銭ポケット。

口が大きく開く仕様ではあるが、底が深いこともあり出し入れのしやすさはイマイチだ。

手前部分にはカードが7枚程度は入る。

こちらはごく一般的なLファスと同じ使い勝手で特に不満なく使える。

お札10枚、小銭10枚、カード7枚を入れて、厚みは約3cm。

ふんわりしたフォルムゆえ、厚みが出てしまうのは惜しいところだ。

ちなみに、公式サイトによるとお金を入れていない状態で厚みが約1.7cm、最大で約2.2cmの厚みと記載されているが、実際はご覧の通りもっと厚い。使い込むうちに厚みは抑えられてくるとは思うが。。

箱や付属品にもこだわり満載

土屋鞄製造所の通常の外箱はダークブラウンだが、「プレーンヌメ」シリーズの外箱にはヌメ革を模したベージュカラーが採用されている。

ロゴマークも同色で実にさりげない。

外箱の時点からすでに“ナチュラル”へのこだわりがヒシヒシと感じられる。

さらに、プレーンヌメ用のガイドブックとヌメ革のしおりも付属。

ヌメ革のしおりはそのまま使うのはもちろん、太陽に当てたりオイルを塗り込んで色の変化を見たり、水を垂らしてシミのチェックをしたりとプレーンヌメレザーの特性を把握するのにも役立ちそうだ。

純白から飴色へ

土屋鞄のプレーンヌメ Lファスナーは、美しい純白から深い飴色へと経年変化する過程全てを楽しめる逸品。

使い勝手や厚みなどの惜しい点は多々あるが、それら全てを吹き飛ばすほどの魅力がプレーンヌメレザーにはある。

この革に惚れたヌメ革好きの諸君、ぜひ買うべし。

  • 価格(定価):15,000円(税抜)
  • カラー:ナチュラル
  • サイズ:H9×W11.5×D1.7cm
  • 重さ:約80g
  • 仕様:メインポケット、小銭ポケット、フリーポケット
  • 素材:牛革
  • 生産国:日本
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ヨッシー
モノが大好きな京都在住のアラサー男子。心をちょっと豊かにする、こだわりのモノを紹介しています。気に入った記事のシェア、ツイッター・インスタのフォロー等していただけると嬉しいです!